「顧客」と「クライアント」 ②

ジェイ・エイブラハムのマーケティング戦略で外せないのが「卓越の戦略」です。
この「卓越の戦略」とは、「自分」に合わせていた焦点を「相手」に合わせるだけ。この焦点を合わせるという簡単な方法は、あなたが取り入れられる最強のビジネス戦略へのカギとなります。また、卓越の戦略は実にシンプルです。クライアントのニーズを、絶えず、自分のニーズより優先させるだけでいいのです。

「あなたに本当に必要なのは、欲しいとおっしゃった商品より安いですよ」とあなたはクライアントに言ったことはありますか?卓越の戦略を用いればこういったことも起こりえます。クライアントに焦点を合わせるというのはこういうことです。

スマホで通話しかしない人に、iphoneの最新モデルが必要ですか?絶対と言わないまでも必要ないと思いますよね。

もちろんこの方法では初回の販売額は小さくなります。しかし、必要のない高額なものを買わされなかったクライアントはあなたのことをアドバイザーとして信頼することでしょう。そして、次もあなたのところから買う可能性は高いはずです。さらに友人も紹介してくれるかもしれません。

ほとんどの人がクライアントよりも自分の会社、商品、サービスに惚れ込む間違いを犯している。何よりもクライアントに惚れ込むことが大切だ。つまり、あなたの利益よりもクライアントの利益を優先させるということです。

わたしもBtoCで商品を販売していた頃、若い奥様が欲しがっていた商品を売らずに、「奥様が欲しがっているものはこれではありませんか?」と別の商品を提案し販売したことがあります。

たしかに一回目の販売額は少なかったと記憶していますが、2回、3回とリピートオーダーが発生し、そのたびにクロスセルで販売額がだんだんと増えていきました。最後には、初回の金額の約3倍の販売額をコンスタントに記録していました。これも面会するたびにクライアントのアドバイザーとして信頼された結果だと思います。

どんなビジネスにも応用できるのが卓越の戦略のいいところである。クライアントが本当に欲しがっているものを見極め、提供する。クライアントが欲しがっているものが、実際には違っていて、もっとお金のかからないものになることこともある。あなたの利益よりもクライアントの利益を優先させることです。クライアントのアドバイザーとしての地位を確立すれば、次々とビジネスは続くのですから。

ジェイ・エイブラハムは、「自分が実際に売っているものが、商品ではなく「問題の解決策」であるとは思いもよらないものだ。そして、人にものを売るときに、その人が必要としているものを売るのと、こちらが売らなければいけないものを売るのでは、大きく差がつくのをなかなか理解できないでいる。結果として、どちらが再注文につながり、紹介によってビジネスが広がるかも、わかっていない。」と述べている。

わたしもBtoCでの販売をはじめた頃、その人が必要としているものではなく、こちらが売らなければいけないものを売ったとき返品が多かったことがありました。逆に、その人が必要としているものを売ったときは返品はほとんどありませんでした。この教訓からその人が必要としているものを売ることに焦点を合わせ営業していきました。もちろん再注文につながったのは言うまでもありません。

教訓 : クライアントの信頼を失うようなことは、してはならない。

「ハイパワー・マーケティング」ジェイ・エイブラハム著
金森重樹監訳 参照