保証

近頃、通販の広告を見ていると、「100%返金保証」とか「お気に召さなかった場合、商品の購入代金を全額お返しします」といったフレーズがよく使用されていますが、あなたは返金してもらったことありますか?

わたしは一度だけあります。10年ほど前になりますが、ネットで購入した商品でした。たしかセールスページに「ご購入いただいてご満足いただけなかった場合は、30日以内であれば返品を受け付けます」と保証が書かれていました。ちょっと違うなと思う商品でも、一度購入し、使用したものを返品するなんてと良心がとがめましたが、高額な商品だったので先方に連絡し返品したのを覚えています。

その後、先方からはメールで返品処理が終わったとしか連絡はなかったのです。もちろんお金は返ってきました。わたしには全く金銭的リスクはありませんでした。

保証の力


これがジェイ・エイブラハムがいうところのリスク・リバーサルです。リスク・リバーサルとは、そのまま訳すと「risk=悪い事象が起こる可能性」、「reversal=逆にすること」。クライアントがイエスというほうが、ノーというより簡単な状況をつくる、クライアントが購入することに対し、全面的な、完全な保証をつけることです。

わたしの例では全額返金保証がリスク・リバーサルになります。その後、この会社で商品を購入するときに影響があるのかといえば、全然なかったです。わたしは現在でもこの会社から商品を購入しています。もし、全額返金保証がなかったら、付き合いは終わっていたかもしれません。

ジェイは「リスク・リバーサルはあなたのUSPの重要な一部となりうる」とその効果を認めています。
はじめての商品を購入する際は、どうしても購入者側がリスクを負うことが多いのが現状ではないでしょうか。それで二の足を踏んで購入しない方がいるのも事実です。そういったお客様に購入してもらえるよう促すのが、リスク・リバーサルなのです。

お客様の中には、とりあえず注文しといて、要らなければ返品すればいいと安易に考えている方も一定数存在します。だからといってリスク・リバーサルを導入しないというのはもったいないと思います。
しかし、リスク・リバーサルを積極的に仕掛けると自分が損をするのではないかという懸念があるかと思いますが、あなたの商品やサービスがクライアントにとっていい加減なもの、効果をもたらさないものではない限り、ほとんど問い合わせはこないはずです。

リスク・リバーサルは何も全額返金保証だけではありません。30日の保証期間を90日に延ばすというようなことを見聞きしたことがあるかもしれません。

もっとすごい保証


ジェイが自分のセミナーで採用するBTRF(ベターザンリスクフリー)という手法があります。導入している企業はほとんどないのではないかと思われる手法です。

まず、ジェイは契約前の見込み客に商品を送ります。セミナーでは実践的で有益なアイデアが得られると約束するものを。これは返却不要です。

次に契約時には$5,000-相当の教材を送ります。セミナー開始の6週間も前に。この教材をみて、興味が持てなければ、キャンセル可能で送られた教材の1/3は返却不要。時間を割いてくれたクライアントに対する報酬なのだとか。

さらに3日間のセミナーで、2日目の午後2時までに$5,000-以上の価値がないと判断し、クライアントが退席した場合、即座に支払った代金が全額返済される。しかも、教材はそのまま持ち帰ることが出来る。

ここまでの保証はなかなかつけられないのではないでしょうか。こんな保証つけたらと思うとぞっとしますが、上手くいっている企業さんもあるようです。

「BTRFの理念は、商品、サービスに対するクライアントの不満、相手の割いた時間、信頼に埋め合わせをするということである」とジェイは述べています。

BTRFとまではいきませんが、リスク・リバーサルはあなたのビジネスにも応用できるかもしれませんね。

ジェイ・エイブラハム著
金森重樹監訳 参照